仕組み金融

現実にCMBSの伸び率は急伸しています。九七年の発行額は四○○億ドル(五兆二○○○億円)を突破したと見られ、その市場規模は一○○○億ドル(一三兆円)ともいわれています。一商品当たりの発行額も年々大型化しており、最近では二○億ドル(二六○○億円)を超えるCMBSも珍しくありません。この分野ではリーマン・ブラザーズやベア・スターンズ、JPモルガンといったアメリカ勢に加えて、米国野村証券、ドイツ・モルガン・グレンフェルといった外国勢がしのぎを削っています。CMBSは、ここに紹介した不動産投資形態のなかでも最も複雑な「仕組み金融」の範晴に入るもので、かなりの金融テクノロジーが要求されます。金融技術の進歩が見られない日本では、この点がネックになってCMBSに対する理解が遅れているようです。さて、アメリカの不動産投資形態をエクイティ投資とデット投資の二つに分けて説明してみましたが、いずれの商品も日本には類似する形態さえないのが実情です。アメリカは、エクイティに関しては三○年以上かけてその流通性を向上させ、デットについては二○数年かけて特異なローンが混在する商業モーゲージの証券化市場を整備してきました。日本はいまから白紙の状態でスタートするしかありません。しかし、アメリカがこれだけの歳月をかけてつくり上げてきたマーケットを、日本が一朝一夕にマスターできるものではありません。相当の年月と努力が必要なことだけは確かです。